CMで、可愛い踊りを披露している星川七瀬(旧名 星野由真)が、『デラボム
(2003年ボム1月号別冊)』内のインタビューで、「2002年はぁ…突っ走った
1年かな(笑)」と答えている。星川ちゃんだけでなく、多くのアイドルが、
歳末決算のコメントを求められると、「突っ走った」とか、「とても充実して
いた」とか、「多忙の一年だった」と答える。ところで、彼女らが突っ走って、
多忙を極めて、充実しているときには、彼女らを愛するファンの中にも、突っ
走っている人が多いということを、忘れてはならない。かくいう私も、
高橋尚子と同じくらい懸命に走ったと思う。しかし、その走った先は、賢明で
はなかった。論文執筆や就職活動と並行して、アイドル写真集を購入するために
単発バイトを入れたり、アイドルライブやイベントに参加する時間を、血の
にじむ思いで確保したりしたのである。中でも、昨年はアイドル写真集への
出費が馬鹿にならず、家計をどんなに圧迫したか、分からない。
『デラボム』は、アイドル雑誌『BOMB』の過去一年分のバックナンバー
から、選りすぐりの写真だけを編年体形式で収録した、いわばアイドル界の
経済白書である。旬のアイドルたちの顔ぶれをたどることで、今後のアイドル
界の趨勢を占えるに違いない。そう、人は言う、「歴史に学べ」と。
そういうわけで、『デラボム』をめくっていたら、とめどなく涙がこぼれて
きた。だって、めくるページめくるページ、申し分ない娘ばかりなんだもの。
昨年度の「フジテレビ・ビジュアルクィーン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた
市川由衣のクリップに始まって、すほうれいこ、平山あや、長澤まさみ、江川
有未、桜木睦子…あぁぁ、きりがない。114ページある雑誌のうち、わずか20
ページ読み進んだだけで、この始末。しかも大半が、水着グラビアかコスプレ
撮影。平山あやは看護婦のかっこうで足を崩し、注射器を手にしているし、
長澤まさみなんか、セーラー服でアイスキャンディに口づけをしている。こん
なにおいしいものばっか一冊の本に詰め込まれたら、カロリー高いよ、なんて
ぞっとしながら、自分の手前に置いてある800キロカロリーのコンビニ弁当を見て、
二重にぞっとした。