その後も、小倉優子、仲根かすみ、吉岡美穂、小向美奈子、乙葉などなど、

枚挙にいとまがない。これだけ多くのアイドルが林立するこの時代は、選択肢

が多すぎて、浮気性の男たちには毒だ。デフレの主役はマクドナルドではない。

実はアイドル界なのだ。そうは言っても、個々のアイドルが文句のつけられな

いほど可愛くて、「(こんなに可愛いなんて)まじかよ〜」とか、「(こんな小悪

魔めいたスマイルができるなんて)うそだろ〜」とかひとりでわめきながら、

私はうれし泣きしてしまった。



 『デラボム』の真ん中辺りまで読み終わった時点で、これ以上読み進めるこ

とに大変な危機感を覚えた。短時間にあまりにも目移りし過ぎて、目移りする

たびに興奮の度合いが高まってゆくことが怖くなったのである。そこで、誰か

のソロ写真集を読んで心を落ち着かせようと思い、先日購入した小倉優子の

最新写真集『ゆうこの秘密の部屋』(ぶんか社)を開いた。



 この写真集はいい。全編が水着か、裸エプロン、あるいはキャミソール姿で

ある。しかし、それだけをもってこの写真集を評価しているのではない。重要なの

は、各ページに写っている小倉ちゃんが、今にも喋りだしそうなくらいに、活

き活きしていることである。例えば、中盤の写真で、日傘の棒の真ん中辺りを

両手で支えた小倉ちゃんが、水着姿で木陰に立っており、にこりと笑いながら、

首を右に45度傾けて、半月型のとろーんとした目でこちらを見ているという

ショットがある。これを見つめていると、小倉ちゃんの口から「なーにやって

るの〜、こっちへおいでよ〜」という誘いの声が、自然と聞こえてくるのであ

る。日光東照宮の『眠り猫』を彫ったことでも有名な伝説の宮大工、左甚五郎

にまつわる歌舞伎『銘作左小刀』には、左が自分の恋している新吉原の遊女・

小車太夫に似せた京人形を作ると、これに魂が宿って動き出したというエピソード

がある。プロのカメラマンが被写体に恋をするなどということは無いだろうが、恋人と

接しているような雰囲気を作り出し、その上で被写体の魅力を引き出すというのは、今

やグラビアカメラマンのセオリーである。ただ、『ゆうこの秘密の部屋』は被写

体の魅力を引き出すのに成功しているというだけでは、評価に言葉が足りない。

普段の彼女には見出すことのできない潜在的な魅力さえも引き出しているということで、

なんとか概観を掌握できるくらいである。それくらい絶品。そのくらい満腹。こうしてカロリー

を取りすぎた私は、『BOMB』を読んでいた時よりもいっそう、心拍数が高まってしまった。



 こんな感じで、今年も長い道のり、アイドルたちと共に、突っ走ります。(終)