『月刊 吉岡美穂』が結ぶ男と男


 私の家には洗濯機が無い。そういうわけで、1,2週間毎に近所のコインランドリー

へ通っている。しかし、すすぎや乾燥のためには毎回1時間以上を要するので、

まとまった時間を確保するのには実に骨が折れる。ところで昨日の晩は台風6号の

影響により、この愛知県一帯にも豪雨が予想されていたが、意外なことに実際には

雨粒の一つも降らなかったのでこれは機とばかりに、かご一杯に溜まった洗濯物を

バックパックに詰め、あまりの重さによろめきながらもアパートを出た。


 さて、洗濯に1時間以上かかるということは、その間ただぼうっとしているわけにも

いかない。しかし、私が通うコインランドリーは、近所とはいえ私のアパートから2キロ

メートル程離れており(世間ではそれを近所とは言わない)、いちいち家へ帰るのも

面倒なので、待ち時間中はランドリーの近くにあるコンビニで立ち読みすることにした。

ちょうどその頃、友人の鬱男g-panからメールがあって、新潮社発行の人気商品

「月刊」シリーズの最新作『月刊 吉岡美穂』が発売されたことを知った。これは買う

しかない、私はそのメールを読みながら当然思った。


 「月刊」シリーズの売れ行くスピードが毎回凄まじいことは、いつしか見た『トゥナイト

2』で知っていたし、かつて立ち読みしたことのある『月刊 安達祐実』は傑作だった。

安達祐実の肌。その薄い脂汗が紙面をにじんで伝わってくるような妖艶さに何度

つばを飲んだことか。価格は30〜40ページで700円。安さに似合わない質の高さ。

これは即日完売必至だし、だから買うなら急がねばならない。だが、最近は写真集

及びアイドルコンサートのために消えてゆくお金の額が尋常でない。日本育英会から

奨学金を受けているのも、すべてアイドルのためかと思えてしまう。


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