先日、私のアパートで定例のNoLD会議が開かれた。会議と言っても、普通
に遊ぶだけなのだが、慣例なのでこう呼んでいる。その際、リーダーのg-panが、
お茶を飲んだコップを自分で洗う機会があった。洗ったコップをどこへ置くか訊ね
られて、私は彼から見て「右」にある食器カゴを指したのだが、どういうわけかリー
ダーは左ばかり見て、そんなものは無いと言う。後で問うてみると、実は左と右
の区別が未だはっきりつかないらしい。これは不思議な話で、きっとリーダーが
相当阿呆なのだろうと思い、フォローもしないで放っておいたが、どうもリーダー
だけが阿呆というわけではないらしい。
翌週の初めに藤が丘へ出た。名古屋市・名東区にある藤が丘は、東名
高速道路へ続く猿投グリーンロードを北へ抜けて、尾張旭市から南に2キロ
足らずのところにある。東部丘陵線は3年後の愛知万博に備え、ここ藤が丘
を起点として瀬戸まで12kmの道のりをつなぐそうだ。さて、私はここでS書房と
いう本屋に入り、事前に予約注文していた本を請求したのだが、カウンター内
の本棚を探す店員のおやじを見て、私はふと例のNoLD会議での一幕を思い
出した。おやじがなかなか見つけられない私の本が私には見えたので、「上から
2段目にありますよ。」と指示したのだが、おやじはいつまでたっても最上部の
棚を探っている。「2段目ですよね〜」と言いながら、なおも1段目を見回して
いる。それは奇妙な光景であった。