すると、赤いバンダナをした若い、痩せ型で色黒の男がやって来て、私が写真集を
置いていた洗濯機の2つ隣にある洗濯機から洗濯物を取り始めた。私は特別慌てる
こともなく、写真集を続けて鑑賞していた。すると例の男が私の読んでいたページを
一瞥し、「吉岡美穂ですか」というので、「こいつ、もしや」と思い、「ええ、見ます?」
といって差し出した。すると彼は「あっ、じゃぁ」と気の抜けるような口調で答え、鑑賞を
始めた。妙な出会いは不思議とあるものだ。特にこのような嵐の日には(何も起こって
ないって!)。さて、彼と談笑を重ねるうちに、この『月刊 吉岡美穂』に関して、次の
ような評価がまとまった。
そういうわけで、彼とは実に非生産的な話が出来て、私は大変満足している。彼と
した話の内容が大切なのではない。こういう話を真剣にできる人間に出会えることが、
言い換えれば馬鹿を分かち合える同志に出会えたことがむしろ生産的なのである。
彼は2週間後の水曜日にまたコインランドリーに現われるらしいので、その時また
吉岡美穂談義に花を咲かせられるかもしれない。しかし、ここからが問題だ。昔、シング・
ライク・トーキング好きということで意気投合した人に、私が好きな他のアーティストを
聞かれ、「加護亜依」と答えたらそれ以来音信不通になったことがある。二の舞を踏ま
ないようにしたい。
『月刊 吉岡美穂』内の各写真をホムペ上で公開することはできないので、興味を
持たれた方は書店へ行って是非手に取って見てほしい。「あんたもなりたくなるよ、
セパレーツ水着に」。(終)