日本語もこれでカンペキ!韓国発 衝撃の参考書

 

 私Dr.Sは、2001年の4月から2002年の3月にかけて、ドイツのケルンに留学していた。

私が日本−ドイツ間の往復に用いたのは、大韓航空の飛行機である。その理由は巷の大学              

生と同じで、運賃が比較的安いから。そのため、行きも帰りも韓国経由で、その乗り換え

先は、ソウルの西方約50kmの所にある仁川(インチョン)空港であった。ちなみにこの空港は、

アジア・中国市場と隣接しているため、将来アジア地域の空港の中核となる、と言われて

いる。さて、私は今年三月に帰国する際、ここで乗り換えのために7時間も過ごさな

ければならなかった。かといって、エコノミークラスの乗客に対する空港従業員の態度はひどく

悪いし、キムチもビビンバも私の体が受け入れないので、はっきりいってあくびが出る

ほど退屈だった。

 しかしながらそんな状況下で、唯一楽しめたのが空港内の本屋。最近は日本でも

韓国アイドルのCDや雑誌を扱った店が増えてきているが、そこでの購買層は主に女性で

ある。また、増えてきているとはいえそれでも未熟な日本国内の韓国アイドルショップ環境を憂い、

直接韓国へ行く人も多いと聞いている。いわゆる「韓国のSMAP」と呼ばれるようなグループを追ってOL

が日本海を渡る、そういう時代なのだ。しかし、ユンソナやBoAのように向こうから出稼ぎに来ない限り、

女性アイドルはなかなか日本で紹介されないし、求められもしない。私にはこのもどかしさを

打開する必要があった。今俺は韓国にいる、目の前には本屋がある。ここでじかにアイドル

雑誌に触れて、可愛い娘を見つければ、私のアイドルライフも更に充実するというもの。

そのように期待して、私は音楽雑誌コーナーへ赴いた。

 だが、そこで意外な邪魔が入った。40〜50代のオバサマ集団である。娘や孫のために

韓国のアイドル雑誌を探している人もいれば、何を血迷ったか自分のために探している

人もいる。オバサマ方、平たく言えばババァ方(方は要らんだろ)は、こちらが危惧

する以上に粘り強く探し続ける。私は自分の性格上、周りの喧騒から開放された状態で本を探したい

ので、10人も20人もたむろしているそのコーナーに留まっているのは辛かった。かといって

彼女らに避けてもらう程肝っ玉が大きくないので、仕方なく別のコーナーへ路線変更することにした。

 さて、私が止む無く移動したその先にあったのは、語学参考書のフロアで、その構成は日本の

それとほとんど変わらない。大半は英語関係で、フロアの6〜7割を占めている。その後に

日本語や中国語を始めとして、西欧語やその他の諸地域言語が続く。

 私がその中でも興味を引かれて思わず買ってしまったのが、ある日本語参考書である。

この参考書がいかに可笑しいかということについては、既に今年3月、私が帰国して間もない

頃に開かれたNoLD会議で、メンバー4人が全会一致で認めたところである。

今月の始めに新しくスキャナを購入したことを記念して、今回は夏休み企画としてこの本の一部を

紹介することにした(実はサボり)。

 この文法書の面白い点は、幾つかあって、私の観点からまとめると、次のようになる。

  1.  絶妙なところで絶妙なミスプリ(或いは、根本的な日本語に関する誤解)がある。また、内容的には時事問題に敏感なのに、使われる日本語に時代錯誤なところがある。

  2.  テキストは日記形式で書かれており、文法書全体がある一人の男性に関するエピソードで貫かれているのだが、これらエピソードを集約した上で想像できる主人公の性格が面白い。端的に言えば、どこかアウトサイダーで、どこかセンチメンタルで、どこか単細胞。こんな人、あなたの近くにいませんか?

  3.  各ページのレイアウトが、斬新的。こんな文法書で外国語が学べれば、勉強も案外楽しいかも。

 そういうわけで、次ページに各画像へリンクしているサムネイルを用意したので、ご覧頂きたい。

鑑賞する

お断り:ソースである原書名を書きたいのですが、ハングルを打てないので、現在は書けません。しかし、いずれ必ず掲載します。

8/13追記:各画像の文字が意外と荒くなってしまい、読みずらいかもしれません。今後改善するつもりですが、
当分は古文書でも読むつもりでなんとか解読して下さい。

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更新履歴:

2002-11-1

2002-11-2