マニア!ディアゴスティーニの次回作

 ディアゴスティーニ( 出版社名)が発行するパートワークシリーズには毎回度肝を抜かれる

思いである。一応説明を入れると、このシリーズはある決まったテーマについて毎週或いは

隔週で定期雑誌を刊行し、それらを集めると全編カラーの大図鑑が完成する。代表作と

しては、「週刊Easy English」、「週刊The Movie」、「週刊 Easy PC」そして(忘れる

無かれ)「週刊恐竜ザウルス」などが挙げられる。 このパートワークシリーズの魅力は

それぞれのテーマについて十分な調査時間とページ数を割いてくれる(紙面上の制約と

いうものが無いも同然である)ため、全巻集めればかなりの物知りになれるということ

である。


 しかし、取り上げられるテーマ自体がマニアックであることが多く、そのため博学に

なってもあまり役に立たないことが多い。その上第一巻が必ず半額以下の安値(200円程)

で売られるため、一冊目は大衆によって喜んで購入されるがその後価格が普通に戻ると

(500〜1000円)購買層は真にそのシリーズを求める者へと絞られ、ある意味第100号を

持っている人は戦いの中を勝ち残ったマニア王であるといえる。我々思索集団NoLDは

新シリーズが発行される毎に次のシリーズがどのような内容になるかについて絶えず予想

を繰り返してきた。


 ここドイツで目にしたディアゴスティーニのパートワークシリーズについて紹介しよう。


「Porzellan Puppen」(「隔週 陶磁器人形」)

毎回陶磁器のロリコン人形が一体ついてくる。

価格は700円程度で駅前に山積みにされていた。ターゲットグループは不明。パッケージ

裏の説明から恐らく少女向けと思われる。日本で発売されているかは定かではないが、

もし出ているならロリコン中年がターゲットだとしか思えない。裏面の説明は以下の通り。

(シルビアは浜辺の夏が楽しみ。青と白のストライプの衣装は木綿製で、カールの金髪が

魅力的。) 


 しかし、これはどういうことか。パートワークシリーズの目的は学術図鑑のような小難しい

ものをパート分けして一般大衆に親しみやすくすることではなかったのか。これでは

シルバニア・ファミリーと何も変わらないではないか。「恐竜ザウルス」新発売の時も購買層に

子供が含まれるとは言え、恐竜模型のパーツまでパート分けして毎回付録とする必要は

無いと思ったが、今回の「陶磁器人形」はもはや雑誌ですらないのである。しかしさすが

ディアゴスティーニ、今回紹介したロリコン雑誌による我々の失望をひっくり返すほどの

まことに魅力的な学術シリーズを並行出版していた。それについてはいずれまた紹介する。

(終)


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