ところで、大人気のアイドルグループモーニング娘。の各メンバーは、オフ時の

外出に際して、行動範囲に特別な制約はあまり受けていないという話を耳に

したことがある。つまり、普通に渋谷の道玄坂を歩くこともあれば、新宿を闊歩

することもあるということである。90年代以前のアイドル黄金時代には、このような自由

奔放さは考えられなかった。しかし、この自由さこそが彼女たちを普通の女の

子として我々に近づけてくれるのである。このような平均的存在様態(一般の

人々に見られる形)で振舞っている彼女らを、我々の方からわざわざ神の高み

に引き上げることに、もはや何の意味があろう。彼女たちだって、普通に恋を

し、キスを交わして(あー書きたくない)、介抱を受けて(あー書きたくない)、

結婚する。アイドルフリークは、このあまりにも当たり前の事実をしっかりと

踏まえた上で、彼女たちに恋をしなければならない。かなわない恋に身を預け

るのは、馬鹿らしいことかもしれないが、このような態度を選ぶことで、自分

が目をつけたアイドルを、一生涯に亘って応援することも可能となるのである。

片思いは楽しい。醒めない片思いならば、もっと楽しい。だから、本上が結婚

したからって、がっくりする必要は無い。今後は今後でさらに脂の乗った本上

まなみが見られると考えればいい。



 今回このような、一見当たり前のように思えるアイドルファンの心構えを銘記

したのは、先日、歌手のブリトニー・スピアーズが日本人のストーカーを法廷に

訴えたというニュースに動機を得ている。アイドルの日常性を無視した思い込み

は、時に常軌を逸した行動を起こさせることがある。ブリトニーと付き合いたい

なら、自分も曲を出して、ビルボードで10週連続チャートイン、しろ!と申し

あげたい。夢を見るならば、中途半端に見てはならない。中途半端になるくらい

なら、見ない方がいい。



 以上の話は、数ある可能的なアイドルファンとしての心構えのうち、たった

一つの可能性を述べたに過ぎない。その可能性とは、アイドルは普通の人間で

あることを予め理解した上でアイドルを愛し、そのアイドルにどのような出来事

があろうとも決してひるまない、毅然とした姿勢である。本上さんは決して死んで

などいない。今後もあの微笑ましいニセ笑いと、悩ましい貧乳を、我々に披露し

てくれるはずである。



 あー、とはいえ、私が現在一押しのアイドル、紺野あさ美(モー娘。)がいずれ

結婚してしまうと思うと、胸が痛くなるのも確かである。しかし、すべての親には、

娘がいずれ人様へもらわれることを、予め覚悟しておく義務がある。そう、私は紺野

パパなのだ。パパなるがゆえに、権利もあるはず。その一環として、とりあえず

一緒に会えないだろうか。その後はちょっとばかり一緒に湯船にでもつかって…

あぁ、妄想ロマンス。本当に好きなアイドルは、平均的日常性でなんて、とても

見られたもんじゃないわ。(終)



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