Oh! My Angel!!ありがとう小倉優子(後編)


「コスモエンジェル オフ」
2002年9月23日(月・祝)
ホテルキャッスルプラザ 15:00~16:30



敏腕土田に助けられて



 オープニング映像が流れ終わって、ついにエンジェルたちが登場。立ち位置は、観客席

から見て左からウエ(宇恵さやか)、メグ(五十嵐恵)、カナ(可名)、ユウ(小倉優子)、

ハルカ(綾瀬はるか)の順。私たちの席位置は中央から数えて6席ほど右寄りだったので、

小倉優子を正面から拝むというわけには行かなかった。しかし、観察するだけならこの位置で

申し分ない。ユウとハルカがイベントの最中、無口に下を向いている様子をはっきり

眺めることができたのはとりわけ大きな収穫であった。



 エンジェルたちと共に現われたのは謎の占い師ことU-turn土田。彼とADの巧みな連携

プレイ無しには、このイベントは全くとりとめの無い形で終わっていたことだろう。リハ

を入念に行っていたにも関わらず、エンジェルたちのトークは女の子同士の雑談同然で、

土田は彼女たちをまとめるのにひと苦労。それにも関わらず、観客席からの声もすかさず

捕らえてネタにしてしまうところは、たいしたエンターティナーだなぁ、と感心。



 土田を褒めるのはこの位にしておいて、イベント本編の内容に関して言うと、この

イベントは大きく分けて二つのコーナーに分かれていた。まず、前半は『コスモエンジェル』

本編でエンジェルたちが今までにしでかしたNGを一挙公開し、それをもとに観客たちがワースト

女優を決定するNG女優大賞、そして後半はそのNG女優大賞に輝いたエンジェルが罰

ゲームとして受ける「箱の中は何だろな」クイズ。何とも盛り上がらなそうなプログラム

だが、これが意外と面白くなる。



 土田の誘導のもと、NG大賞が始まろうとする直前、あれだけ注意を受けておきながら、

観客席の方から携帯の音が!イベントが始まる前にスタッフの人が「携帯の音が入ると

その部分だけイベント映像が使えなくなるから」と何度も念を押していたため、犯人では

ない人までひやりとした瞬間だったが、そこもU-turn土田がすかさず「携帯鳴ってるしね」

とクールにフォロー。携帯鳴らした人は土田に救われたね。



やる気のない小倉ちゃん!これは本物だ!



 NG大賞では、事前に編集されたNG映像が流れる。その間にエンジェルたちが取る

リアクションが結構笑えた。小倉ちゃんの笑うタイミングは他のエンジェルたちに比べて

常に半拍ずれており、笑っても動きがほとんど無い。口元をにやりとさせるだけで、

リアクションの良さを評価するならば、はっきり言って最低。しかし、このさりげない

笑いが可愛いんだよね。というか、本当は笑ってないよね、小倉ちゃん。



 カナはカナで笑い方が豪快。おかしいNGシーンがあると口を大きく開けてお下品に

爆笑。お前アイドルだろ、もう少し笑い方考えろよ!と言いたくなる。でも芸人としては

面白いので許そう。ハルカは小倉ちゃんと同じで終始リアクションは控え目。ウエとメグは

普通に反応。



 NGの中には、何十回もテイクが繰り返されるものもあって、それはそれで楽しいのだが、

製作側の人々はもっと出演者たちにプロ意識を求めてもいいのではないか、とも思った。

だって、小倉ちゃんなんか、土田(占い師役)の顔がおかしいというだけで何度も吹き

出して、セリフがなかなか言えないんだもの。それで6回も7回もテイクを繰り返す

スタッフ側は、少しは腹が立たないのだろうか。もしもなぁ、俺が監督だったら!

…うーん、許しちゃうなぁ。だって、間違えるたび、小倉ちゃんに「ごめんなさーい」

って、あの犬山犬子も完全降伏の舌足らずな声で謝られるんだもん。



 NGとNGの合間に小倉ちゃんが、「私の演技は完璧だった」みたいな感想を述べ始め、

会場は爆笑。また、エンジェルたちの間で、思い出に残った名シーンの話が起こり、

その際に海水浴場が舞台になった回でのリンボーダンスが話題に。そして、小倉ちゃん

が舞台の上で、土田からのリクエストに応え、リンボーダンスの振りを見せてくれた。

実際には見えない架空の棒の下をくぐるようにして、小倉ちゃんが上体を後ろへ反らす様を

瞳に収めて、会場はさらに大感激。



ワースト女優が決まる



 最後は土田のNGで締められ、続いてエンジェルたちの中からNG女王を選ぶため、観客

たちの拍手による投票が行われた。会場から見て左側にいるエンジェルから投票が

始まった。一番左はウエだったのだが、拍手は一つもなし。土田がすかさず「聞く順番

を間違ったかな?」とフォロー。私もウエが少し可愛そうになった。



 拍手が多かったのは小倉ちゃんとハルカ。ADが適当に拍手を数え(できるのかよ!)、

僅差で小倉ちゃんがワースト女優になった。「えー、なんでー」と言いながらうつむいて

いる小倉ちゃんも可愛い!「いいとこはみんなこの娘が持ってくのよね」みたいな表情を

垣間見せたハルカも悪くない!はっきり言ってこの投票はデキレースであった。自分の

好きなアイドルが受ける罰ゲーム、見てみたいでしょ?イベントが始まる前の様子から、

小倉ちゃん目当てで集まっている人が多いことは一目瞭然だったので、きっとその人たち

も私と同じ気持ちで拍手を送ったのではないだろうか(私はちょっと浮気してハルカに

拍手した)。NGのひどさから言わせてもらえば、他の娘たちの方が断然ひどかった。



 そして、肝心の罰ゲーム。舞台上手から運ばれてきたのは全体に黒いクロスがかけられた

テーブルと、その上に載せられた片面が透明の立方体の箱。バラエティ番組ではおなじみ

の「箱の中身当てゲーム」であった。初めは箱に黒のカバーがかかっており、中身は観客側

からも見えない。客観的に見てこのイベントは、一地方で行われている小規模なものなので、

予算もそれほどかかっていないし、箱の中身はたいしたものではないだろうと思っていたが、

覆いが外された瞬間、会場は絶句。何とそこには、たけし軍団きってのアスリートにして

露出魔、あのスキンヘッドでおなじみの井出らっきょが!



らっきょ、暴走!



 私はらっきょが現われてからしばらく、それがらっきょであることに気が付かなかったが、

隣にいたg-pan氏が異様に興奮しているので、注意して見直して改めて、事の何たるかを

知った(まぁ、よく考えるとやはり大したことではないけれど)。



 小倉ちゃんは箱の中に手を入れて、らっきょの頭に触れた瞬間に「キャー」と悲鳴を

上げて、床に転げ落ちた。「だめー、パンツが見えるから!」転んだ小倉の前に土田が回り

込んですかさず援護。小倉ちゃんの過剰すぎる反応を受けて他のエンジェルも、箱の中身

に興味津々の様子。



 すっかり萎縮してしまった小倉ちゃんに代わって、その他のエンジェルたちも次々に箱

の中に手を入れて、その度にキャーキャー言って、珍回答を繰り広げた。「タコ」とか、

「ボール」の他に「番組ディレクター」という回答も飛び出したが、なかなか答えは出ず、

このクイズは長丁場を迎えることになる。この間、らっきょは気まぐれに頭ではなく足を

触らせたり、箱の上部に開いた穴から入ってくるエンジェルたちの指を舌で触ったり、

変人ぶりをいかんなく発揮していた。エンジェルたちの中で一人気を吐いたのはメグ。

彼女は空手が得意だそうで、箱の中のものの特徴をつかむために、らっきょの頭を指先

で突っついてもよいかと土田に打診。らっきょはそれを聞いた途端、箱の中で必死に否定

の表情を見せたが、土田はそんならっきょの表情を窺いながらも、「OK」と許可。空手家の

鋭い手の先によって頭のてっぺんをつつかれた時のらっきょの表情は痛々しかった。



 結局、大半のエンジェルたちは箱の中身を見事に当てたのだが、小倉ちゃんだけは最後

まで見当がつかず、シンキングタイムは終了。そしてらっきょがエンジェルたちの前に姿

をお披露目。カバーのかかったテーブルの中から現われたらっきょは、パンツ一丁で、

パンツの前面の股間の部分には小さな獅子舞の顔をぶら下げていた。小倉ちゃん以外のエンジェル

たちはなぜか大変喜んで、らっきょの方へ近づいてその獅子の口に指を挟めてもらい、それで

喜んでいた。あなたたち、アイドルですよね?と言いたくなるが、楽しかったからいいや。



小倉優子は世界の架け橋



 こうして、イベント本編は無事終了。その後は予め約束されていた通り、エンジェル

たちの撮影会が行われた。撮影会と言っても、観客たちが、座っていた列毎にスタッフに

よって舞台前まで誘導され、各列共に1分間だけエンジェルたちの撮影が許されるのと

いうもので、これには満足の行かなかった人もいるかもしれない。しかしだ。しかし私はここで

言おう。我々は小倉優子をはじめ5人のエンジェルたちをじかに、この目で見たのだから、

もうそれで十分ではないか!



 そんな綺麗ごとを言っておきながら、私もg-pan氏に

ポラロイドカメラを借りて、2枚ほど撮らせてもらった(てへっ)。



 会場を出て、ひとまずロビーで一息。「可愛かったなぁ」(私)「確かに、可愛かったね」

(g-pan氏)感慨極まるひとときに、イベント前に会話をした例の小倉優子好き2人組が

加わって、我々は何か共同のプロジェクトを成し遂げたかのように、握手を交わした。

そして最後に記念撮影。最後は何だかわけのわからない展開になったが、ひとつの喜びを

共有できるということがどんなに素晴らしいことか、改めてわかった気がする。そして、この日

我々にまさにひとつの喜びであるパンを与えてくださった聖母マリアこと小倉優子に、心から

ありがとうと言いたい。



 後日談。このイベントに付き合ってくれたg-pan氏は、あのイベントから数週間後に

偶然、例の小倉優子好き2人組のうちの片割れに遭遇。g-pan氏はその際に彼と携帯番号を

交換し、さらには、早速11月1日に彼らが開く予定の小倉優子誕生パーティーに誘われた

そうだ。今までアイドル崇拝とは一線を置いていたg-pan氏がアイドル色、いや百歩

譲って小倉優子色に染まるのも、まんざら遠い話では、ない。(終わり)

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