Oh! My Angel!!ありがとう小倉優子(中編)

「コスモエンジェル オフ」
2002年9月23日(月・祝)
ホテルキャッスルプラザ 15:00~16:30


尊敬すべき小倉ファン



 前日の晩から一睡もしておらず、体調は決して万全とは言えなかった。それでも体が

言うことを聞いたのは、このイベントをそれだけ楽しみにしていたからに違いない。11時

半に名古屋駅でg-pan氏と待ち合わせて、そこから直接ホテルへ向かった。



 ホテル方向へ歩を進めるにつれて、同じイベントに参加しそうな男性たちが、道路を

挟んで反対側の歩道にぽつぽつと現われ始める。ホテルの前にはイベントスタッフが待機

していて、ホテルへ入っていいのか迷う男性たちを誘導している。



 エレベーターガールに導かれ、イベントが行われる階に案内されると、そこには

既に50人近くの観客たちが列を作って座り込んでいる。やはり彼らも小倉優子を出来る

だけ近いところから観るために、こんなに早くホテル入りしたのだろうか。私が彼らを

目にしたときに漠然と思ったのは、前回話題にしたように、この人たちは整理券を

もらってからイベント開演までの3時間、何をするつもりだろう、ということだった。

もし私と同じようにアニメイトやハロプロショップで過ごすのならば、何だか気まずい。

また、かりに今、東海大地震が起こったら、私もg-pan氏もこの人たちと一緒に死ぬわけ

で、間違った白虎隊みたいでそれも気まずい。



 早速私たちも列に加わり、15分後の整理券配布を待った。待ち時間中、前方に並ぶ二人

組と会話した。そのうちの一人から、「小倉優子(目当て)ですか?」と訊ねられたので「そうです」

と答えると、彼は嬉しそうな顔をして、「俺もそうなんですよ〜」と言い、手元にあるバッグからおもむろに

名刺サイズのカードを一束、取り出した。「こ、これはっ!」そう、それは間違いなく、

「ボム カードハイパープラス 小倉優子 トレーディングカード」。そして彼はこれまた

おもむろに、その束の一番上にあるカードに、正確に言えばそのカードに写ったブルーの水着姿

の小倉優子に、キスをしたのである。



 私はこの時絶句した。私は負けた、負けたのだ。彼は自分が小倉優子命であることを、

初対面の人間に対して、ものの5秒で証明したのである。これは、吉田松陰が黒船を

初めて見たときと同じくらいの衝撃だった。こうでなきゃならん、アイドル好きたるもの、こうで

なければ(私、間違ってます?)。しかも彼は先月放送された24時間テレビ(NTV)の

チャリティイベントで、小倉優子が栄の久屋大通公園を訪れた際に、ちゃっかり栄

まで行って、小倉優子と握手しているのである。私は当時、小倉優子が栄に来ていること

をテレビで知っていながら、チャリティーパーソナリティーのモーニング娘。を

観るためにのんのんとテレビの前に座っていた。だからもしかすると、私みたいな風見鶏な

アイドル好きは、今回のようなイベントに来てはいけないのかもしれない。



 このことを教唆するような光景は、私たちより以前から列を作って並んでいた人々の

服装や行動からも容易に看取できた。円をぐるりと囲んでトレーディング

カードを交換する男たち。小倉優子グッズを衣服やカバンに散りばめ、小倉優子を公に

証する男たち。それから、理由はよく分からないが、警察服やカンフー着の男たち。

彼らの存在は、今後私がアイドルライフを更に充実させる上での大きな参考になった。



ついに開場



 そして、整理券の配布が始まった。招待状を受付に見せて、整理券を受け取る。私と

g-panは「56」と「57」番。もしもこれが舞台の前方から数えた通し番号ならば、

なかなか良い位置につけた気がする。一息ついた私たちは、駅地下のマックで食事をし、

前日から予定していた通りにアニメイトへ向かい、それからハロプロショップへ行った。

この日は小倉優子イベントがある日なのにも関わらず、ハロプロショップでは思わず紺野

あさ美(モー娘。)グッズを買い込んでしまった。「こんな浮気がばれたら、イベントに

参加する小倉フリークは俺のことを袋叩きにするだろうなぁ。」一瞬、脳裏をよぎったその

ような不安から、購入したグッズは一つ残らず、かばんの中に隠し入れた。



 午後3時。会場は再び数百人の男たち(父親に連れられた少女はいたが、それ以外は

概ね男性であった)で一杯になった。リハーサルが押しているらしく、イベントは40分

遅れで始まることに。始め15分遅れと告げられたものが、途中からさらに25分延長

されたので、さすがに不機嫌な顔をする人もいたが、大部分のファンにとって、そんな

ことはどうでもよかった(はず)。だって、リハが行われているということは、エンジェル

たちは既に降臨済みということだもの!だからだから、リハでも何でも好きなだけやって

欲しい。そのリハのお陰で私たちが、より幸せになれるなら。



 そして、遂に開場。席は前から3番目。少し右寄りだが、舞台は十分に見える。はじめ

にスタッフの方が舞台上に現われて、イベント収録中の注意点を説明した。このイベント

の模様が録画されて、10月25日(金)に地上波(東海テレビ)で流れるからだ。そのため、

いろいろと指示があって、例えば携帯のスイッチを消すように言われたり、エンジェルが

舞台に登場した時の拍手を練習したり、g-pan氏曰く「『…いいとも!』収録のよう」で

あった。



 スタッフが収録開始のキューを出し、舞台のスクリーンには『コスモ☆エンジェル』で

毎週流れるおなじみのオープニング映像(水着姿のエンジェルたちが海岸ではしゃぎ

合う様子)が流れ、その後、舞台の下手から、紛れも無い、5人のエンジェルたちが現れた。

ああ、本物の小倉ちゃんだ〜。(続)

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